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香川県高松市の心療内科・精神科。全人クリニックです。

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香川県高松市の心療内科 全人クリニック

自律神経失調症

【正常不安と病的不安】
 不安や恐怖という感覚は、すべての人がたびたび体験するものです。それらは覚醒度を上げる信号であり、差し迫った危険を知らせて、その危険に対処ができるように準備を促します。道路で『子供が飛び出してくるかもしれない(不安)』と感じて安全運転をする(対処行動)、老後の生活が心配になり(不安)貯蓄をする(対処行動)といった具合です。このように適度な不安や恐怖は生きていく上で必要なものですが、対処できる水準を超えて強くなると発作のように激烈な現れ方をすることがあります。こうした不安や恐怖、ストレスを背景に起こる病気を神経症性障害といい、社会不安障害やパニック障害、特定の恐怖症、適応障害、PTSDなどが分類されます。自律神経失調症も神経症性障害の一種に分類されます。

【自律神経失調症とは?】
 自律神経とは、全身の内臓や血管に分布するアクセルとブレーキのような働きをする神経であり、様々な影響を与えています。自律神経は人間の気持ちや感情の動きに敏感に反応します。例えば、お化け屋敷に入ると恐怖感から心臓がドキドキしたり冷や汗が出る、たくさんの人の前で発表する時に緊張して手が震え顔が赤くなるといった具合です。このように精神的な働きと身体的な働きは密接に関係していますが、自律神経失調症になると精神的な働きに対し自律神経が過敏、過剰に反応するようになります。そうした激烈な身体反応は、新たな不安、恐怖感の源となり状況は更に悪化していきます。こうした状態が続くと、うつ病を合併したりパニック障害や対人恐怖症となって引きこもりがちになることもあります。こうした医学的に説明できない身体症状に悩む人は、一般成人の10~40%ともいわれています。

【自律神経失調症の症状】
 部位により症状は多彩です。代表的な部位による症状を下に示します。

 [心臓]  動悸、胸部の不快感や重苦しさ、全身のだるさ
 [胃]   ゲップ、吐き気、消化不良、喉が詰まる、胃けいれん
 [腸]   下痢(過敏性腸症候群)、お腹がグルグル鳴る、ガスが出過ぎる
 [呼吸器] 過呼吸、呼吸困難感、しゃっくり
 [泌尿器] 頻尿(何度もトイレに行きたくなる)、排尿困難
 [その他] 口の渇き、発汗、顔面紅潮、顔のほてり、めまい、痛み

 こうした激烈な身体反応が起こると、人間はそれに対する対処行動を起こします。顔面紅潮で悩む人は大勢の前で話すことを避けるようになりますし、下痢や頻尿で悩む人は行く先々でトイレを探すようになります。特定の状況と身体反応が結びつく、例えば高速道路のトンネル内で動悸発作が起こったりすると高速道路が怖くなり利用するのを避けるようになります。こうした対処行動は自然な反応なのですが、また起こるのではないかといった不安、恐怖から対処行動が強くなっていくと仕事に支障が生じたり、外出先が制限されたり、人前に出るのが怖くなったりして生活そのものが窮屈なものになっていきます。

【自律神経失調症の治療】
 自律神経失調症そのものに対する特効薬というものは基本的にありませんが、過剰な緊張や身体症状による不安、恐怖感に対して抗不安薬が効果的です。抗不安薬は依存性もあるため必要最小限もしくは特定の状況の時に前もって服用することをお勧めします。また、うつ病の合併も多いためSSRIなどの副作用の少ない抗うつ薬や漢方薬などを使用することもあります。身体症状の種類によっては、胃薬、整腸剤、鎮痛剤などを併用することもありますが、対症療法であるため過剰な使用はかえってマイナスになることがあります。カウンセリングでは、不安や恐怖感に対する認知療法(物事をバランス良く考えられることを目標とした面接による治療)、行動療法(過剰な身体症状が出ないようなストレスを意図的に加えていく治療法)、呼吸法などリラックスを促す不安対処法、食事や運動、睡眠など自律神経を安定させる生活指導などを行います。

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