本文へスキップ

香川県高松市の心療内科・精神科。全人クリニックです。

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.087-867-1717

〒761-8058 香川県高松市勅使町62-4

香川県高松市の心療内科 全人クリニック

情報伝達とコミュニケーションPersonal Colum

情報伝達は、ここ数十年でラジオや本といった言語情報に代わってテレビや漫画などの視覚情報が台頭するようになりました。最近ではインターネットや携帯電話、メールなどの普及により簡便さや迅速性も付随するようになりました。このように情報伝達は多様化し急速に変化してきました。こうした変化は私達に恩恵だけではなく様々なストレスを与えるようになっています。

 ひとつは情報が氾濫しているためにその情報が正しいのか、信頼に足るのかを判断する能力を求められるようになりました。手軽に情報が得られる一方でその信頼性が揺らぎ、情報のための情報を探すということが日常的に行われています。更に情報がすぐに得られない事への不安も出現し、携帯電話やスマートフォンを手放せないといった現象も起こるようになりました。

 また情報伝達にコンピュータが介在することで、曖昧さやミスが許されなくなりました。東京証券取引所で起きた誤入力による大量発注ミス事件は記憶に新しいと思います。メールによる連絡も日常的に行われていますが、メールを確認することや返信することが義務化しておりトラブルになることもあります。学校ではコンピュータの授業が必修となり、センター試験では情報関連基礎の科目が選択できるようになりました。情報伝達の変化に合わせて人間の行動や能力を変えていく対応を迫られている訳です。

 こうした情報伝達の変化への対応は、コミュニケーションにも大きく影響を与えています。情報過多と選別する能力の要求、正確性、迅速性、新たな知識の学習などの割合が大きくなることで、親子関係、夫婦関係、教師と生徒の関係、上司と部下の関係など問題を解決する実践的な人間関係がおざなりになっています。日々の診療の場でも離婚、職場での不適応、同居困難などの問題、どう話したらいいかわからない、感情がコントロールできない、人前だと緊張して不安になるなど対人関係の問題も多くなってきています。ではどうすればコミュニケーションの問題は解決するのでしょうか?

 私は、コミュニケーションはアナログな人間関係の積み重ねで成熟していくと考えます。そのために生活環境に置いて情報伝達の全体的割合の見直しが必要でしょう。アナログな人間関係:インターネット:本(特に古典)=1:1:1が理想でしょうか。数百年前から生き残ってきた古典はコミュニケーションや生き方の参考になるでしょう。故きを温めて新しきを知る、アナログ回帰をすることで情報伝達のバランスを取ることがコミュニケーション改善の鍵のように感じます。

全人クリニック香川県高松市の心療内科 全人クリニック

〒761-8058
香川県高松市勅使町62-4
TEL 087-867-1717(予約制)
FAX 087-867-1939(院内処方)