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【強迫性障害とは?】
強迫性障害とは、主に強迫観念と強迫行為から成り立つ病気です。強迫観念とは、ある考え、語句、文章、メロディなどが意識に押し入ってきて、馬鹿馬鹿しいとわかっていながらどうしても振り払うことができないことです。強迫行為とは、ある行動に駆り立てられ、おかしいとかやりすぎだ、止めたいと感じながらもそれを行わないと気が済まないことです。統計学的には、生涯で100人中2、3人が強迫性障害となるといわれています。
【強迫性障害の原因】
強迫性障害の原因は、脳の画像研究から脳の基底核といわれる部分の活動が亢進しているのではと言われています。また特定の薬剤が有効であることから、セロトニンやドーパミンといった脳の神経伝達物質が複雑に関与しているとも言われています。
【強迫スペクトラム障害】
醜形恐怖(顔などを醜く感じ他人に不快感を与えてしまう不安)、疾病恐怖(何か重大な病気になってしまったのではないかという不安)、摂食障害の身体へのこだわり、抜毛症、チック、自傷行為なども強迫性障害に連続した強迫スペクトラム障害との概念があります。
【強迫性障害の症状】
強迫観念と強迫行為が主な症状ですが、(1)疑惑癖(2)洗浄強迫(3)確認強迫(4)強迫性緩慢などが起こりやすい4大要素です。(1)疑惑癖は、『確認をし忘れたのではないか』『あのとき間違った行動をしたのではないか』といった疑いが繰り返し起こってきます。(2)洗浄強迫は、『狂牛病やエイズにかかってしまう』『とても汚れた』といった疾病恐怖、汚物恐怖から長時間の手洗いや入浴に至る行為です。(3)確認強迫は、前述の疑惑癖からスイッチや鍵、ガスの元栓、ゴミ袋の中身、物品の数などの確認を繰り返す行為です。(4)強迫性緩慢とは、強迫行為を細心の注意を払って規則的にそれを繰り返し、極めて長時間続くものを言います。そのため心身ともに疲れ切り、スムーズに行動できず日常生活に支障を来すようになります。そのため3人に2人がうつ病を合併すると言われています。
【強迫性障害の治療】
強迫性障害の治療は(1)薬物療法、(2)認知行動療法(曝露反応妨害法)が有効とされています。多くの場合、まず薬物療法を行い強迫性障害について理解していきながら行動療法を導入するのが治療の流れになります。薬物療法では高用量のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、三環系抗うつ薬などの抗うつ薬が40~60%の方に有効といわれ、治療効果が出てくるまで少なくとも12週はかかります。治りにくい場合、少量の向精神薬を併用することがあります。認知行動療法(曝露反応妨害法)は(1)強迫性障害の理解、(2)積極的な不安状況への直面、(3)強迫行為の制限、(4)不安の一時的な高まりとその後の減弱(慣れ)を柱とします。確認強迫の場合、『確認したいと思った時に、確認せずに時間がたったり次の行動をすることで不安が軽くなることを経験してもらう』治療です。但し、強迫症状はとても激しく強固なものですので、まず薬物療法を先行して認知行動療法は取り組みやすくなってから行うのが効果的です。
強迫性障害は、20%の方が数年で自然寛解しますが基本的に難治性の病気です。早期に診断を受け治療することが望ましいと言えるでしょう。
【家族の対応】
強迫性障害は、強迫行為を身近な人に代行してもらう巻き込み型といわれるものがあり、本人も家族も強迫症状に疲れ切っていることが時折みられます。治療のために(1)強迫性障害と治療法を理解する、(2)強迫行為に協力することを減らしていく、(3)強迫行為に対する拒否反応を減らし温かく見守る、(4)曝露反応妨害法のコーチ役になるなどが家族の対応で重要なポイントとなります。
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