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香川県高松市の心療内科・精神科。全人クリニックです。

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香川県高松市の心療内科 全人クリニック

双極性障害(躁うつ病)

【双極性障害(躁うつ病)とは】
 双極性障害(躁うつ病)とは名前の通り、躁の状態とうつの状態を繰り返す病気です。生涯でなる確率は0.24~1.6%でうつ病の15%と比べると少数といえるでしょう。10~20歳代で最初の気分の浮き沈みを経験していることが多く、中年以降の発症はまれです。一般に最初は躁よりもうつで発症し、数回うつを繰り返した後、躁が出現するという経過の方が多いです。そのため発症時にはうつ病の診断された方のうち5~20%が双極性障害の診断に変更されます。

【双極性障害の症状】
 うつ状態の症状は典型的なうつ病の症状(うつ病のコラムをご参照ください)の他に過食、過眠、鉛のように動きにくくなるなどといった非定型うつ病の症状がみられることもあります。躁状態は『経験したことのない気分の高揚もしくはイライラ』の気分の状態で、自分の能力が高くなったように感じる、不眠、しゃべりすぎる、色々なことを考えすぎて注意が他にそれる、過剰に意欲的になる、浪費や性的逸脱などの症状がみられます。

【双極性障害Ⅰ型とⅡ型】
 双極性障害の分類は議論されているところですが、2013年に発刊されるDSM-5では双極性障害Ⅰ型、Ⅱ型とその他の双極性障害に分類されることとなっています。双極性障害Ⅰ型は従来の双極性障害、Ⅱ型は軽度の躁状態が起こるうつ病です。双極性障害Ⅱ型は近年話題となっていますが、1970年頃から提唱されていたものです。治療は現在は双極性障害Ⅰ型のものに準じており、Ⅱ型固有の医学的根拠の高い治療は確立していません。

【双極性障害の原因】
 双極性障害の原因は特定されていませんが、脳内の神経伝達の亢進と低下が気分変動を起こすのではないかといわれています。またうつ病に比べて親子や兄弟での発症率は10~15%程度と遺伝的要因は高いのですが、他の環境要因の関与など複合的な要因による発症と考えられています。

【双極性障害の治療】
 双極性障害の治療は薬物療法が中心となります。躁状態の時には急速に悪化することがあり、患者さんに具合が悪いという自覚がないことが多く入院治療が必要となることもあります。気分安定薬や非定型
抗精神病薬などで治療しますが状態が落ち着くまでは平均4ヶ月かかります。第一選択薬は多幸感の強い躁の場合、炭酸リチウム(リーマス)ですが、イライラが強い躁や炭酸リチウムの効果が乏しい場合にはバルプロ酸が第二選択薬となります。またオランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)、リスペリドン(リスパダール)なども考慮されるべきでしょう。
 うつ状態は平均6ヶ月持続し、クエチアピンや炭酸リチウムが第一選択薬になります。抗うつ薬については躁の状態を引き起こす可能性が2~10%程度あると考えられており、単独での治療は推奨されていません。また抗うつ薬自体の効果が期待できず、気分の不安定化、再発の増加、自殺行動の増加などが引き起こされるといわれています。双極性障害Ⅱ型のうつ状態にはSSRIなどが効果があるともいわれていますが、研究の信頼度は高くはありません。再発を予防する継続療法として、炭酸リチウム、ラモトリギン、オランザピン、アリピプラゾール、バルプロ酸、追加の形でのクエチアピンなどがあげられます。
 双極性障害は環境ストレスによる再発率が高く、躁状態、うつ状態の再発を繰り返すことで心理的・社会的な後遺症を引き起こしていきます。薬物療法や病気のことを理解するために患者さんやご家族に心理教育・心理的介入を行うこともあります。

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