電話でのご予約・お問い合わせはTEL.087-867-1717
〒761-8058 香川県高松市勅使町62-4
【不眠症とは?】
不眠症は大きく次の4種類に分類されます。(1)寝付くまでに時間がかかる『入眠困難』、(2)夜間に何度も目を覚ます『中途覚醒』、(3)寝ていたいのに朝早く目が覚める『早朝覚醒』、(4)睡眠時間は十分なのにぐっすり寝た気がしない『熟眠困難』です。こうした不眠症が起こると昼間の倦怠感や眠気などが生じ、集中力低下や仕事のミスの増加をきたします。日本では、20歳以上の成人の中で21.4%がこうした不眠の悩みを持っているといわれており、20~30歳代から中年期にかけて急激に増加することがわかっています。
【不眠症の原因】
不眠症の原因として、加齢、病気などのストレス、薬剤、職業などがあげられます。
[加齢]一般的に高齢者は、入眠まで時間がかかり睡眠は浅く中断が多くなります。高齢者では、基礎代謝量の低下、日中のエネルギー消費や運動量の低下から身体が必要とする睡眠量が減少するといわれています。また、外出の減少のため太陽光線を浴びる時間が減少したり昼寝をすることで、体内時計の機能が低下し不眠が悪化するとも考えられています。
[病気などのストレス]気管支喘息などの呼吸器疾患、リウマチなどの痛みが強い疾患、アトピー性皮膚炎などの身体疾患に不眠の合併が多いといわれています。また、うつ病、不安感や恐怖感などのあるストレス状態、統合失調症などの場合も多くの方が悩みます。職場や家庭の悩みで起こることもあります。
[薬剤]パーキンソン病治療薬、降圧剤、ステロイド製剤、気管支拡張薬などで不眠を引き起こすことが報告されています。
[職業]夜間業務があり生活周期が乱れやすい職業の方(看護師など)や危険業務、有機溶媒など精神刺激作用のある劇物を使用する職業の方(塗装業など)、ストレスの大きい職業の方(教職員など)に多いと考えられています。
【不眠症の治療】
不眠症の治療は、認知行動療法によるアプローチと睡眠剤による薬物療法の2つです。
認知行動療法によるアプローチは慢性的な不眠症に薬物療法と同等の効果があるといわれています。15分眠れないときにはベッドから一旦離れる、寝室でテレビやパソコンを使わない、寝室は眠るためだけに使う、昼間に日光を浴びる、昼寝は15時前に20~30分程度、夕方以降のカフェイン摂取や寝酒・喫煙などを減らす、眠たくなってから床に就く、睡眠リズムの日記をつける、筋肉の緊張を和らげるようなリラクゼーションを取り入れるなどが基本的なアドバイスとしてあげられます。
薬物療法については、寝入りを良くする超短時間型の睡眠導入剤から早朝覚醒を改善するための長時間作用型の睡眠剤まで日本では十数種類もの睡眠剤が処方されています。かつての睡眠剤は依存性が強く大量摂取により死に至ることがあり『睡眠剤は止められなくなる』『飲み続けるとぼける』といったイメージがありましたが、1960年代以降に普及したベンゾジアゼピン系睡眠剤は常用量を守れば依存性を起こしにくく安全性も高いといわれています。また2010年に販売されたラメルテオン(ロゼレム)は本邦初のメラトニン受容体作動薬で脳の特定の部位に働くことで体内時計を整え、ふらつきや依存性のない睡眠リズム改善薬として処方される機会が多くなってきています。アメリカではオレキシン受容体拮抗薬の開発が進んでおり、今後は鎮静やふらつき、依存性のない睡眠薬が主流になっていくと考えられます。
【睡眠障害ガイドライン】
以下の項目は、厚生労働省が発表している睡眠障害ガイドラインの一部です。生活習慣を改善し体内時計を整えることが良好な睡眠に必要ですが、不眠が持続する場合には睡眠薬の服用をおすすめします。
・眠時間は人それぞれ、睡眠時間にこだわりすぎない(日本人の平均睡眠時間は6.4時間)
・寝る前の刺激物(喫煙、カフェイン)を避け、自分なりのリラックス法を
・眠たくなってから床に就く、就床時間にこだわらない
・同じ時刻に毎日起床、早起きが早寝に通じる
・起床後なるべく早く日光を浴びることで体内時計のリズム作り
・規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
・昼寝をするなら15時前の20~30分
・眠りが浅い時はむしろ積極的に遅寝早起きに
・睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
・睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
〒761-8058
香川県高松市勅使町62-4
TEL 087-867-1717(予約制)
FAX 087-867-1939(院内処方)