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【ADHDとは?】
ADHD(注意欠如・多動性障害)は生まれつきの脳機能障害、発達障害の1つと定義されています。不注意、多動性、衝動性が主症状で、広汎性発達障害や学習障害などの発達障害や他の精神障害の合併がみられることもあります。歴史的には1902年にイギリスで報告され、日本では1998年頃よりようやく障害概念として認知されるようになりました。2003年に初めてガイドラインが作られ、2007年に正式にADHD治療薬が承認され現在に至ります。このように昔から存在は知られていましたが、診断や治療はいまだ発展途上にあるといえるでしょう。
【ADHDの症状】
後述の不注意の症状あるいは多動性・衝動性の症状が6つ以上少なくとも6ヶ月以上続き、その程度が不適応的で発達の水準に相応しないものが診断基準となります。ADHDは生まれつきの脳機能障害ですので就学前から症状が見られます。またADHDの主症状である不注意、多動性、衝動性は必ずしもADHD固有の症状ではなく、他の精神障害やADHDと他の精神疾患の合併もあるため診断は慎重に行われるべきです。他の精神障害の合併は80%といわれています。
(不注意)学校の勉強で、細かいところまで注意を払わなかったり、不注意な間違いをしたりする。
課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい。
面と向かって話しかけられているのに、聞いていないように見える。
指示に従えず、また仕事を最後までやり遂げない。
課題や活動を順序立てて行うことが難しい。
精神的な努力を続けなければならない課題(学校での勉強や宿題など)を避ける。
課題や活動に必要な物をなくしてしまう。気が散りやすい。日々の活動で忘れっぽい。
(多動性)手足をそわそわ動かしたり、着席していてももじもじしたりする。
授業中や座っているべき時に席を離れてしまう。
きちんとしていなければならない時に、過度に走り回ったりよじ登ったりする。
遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい。
じっとしていない、または何かに駆り立てられるように活動する。
過度に喋る。
(衝動性)質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。
順番を待つのが難しい。
他の人がやっていることを遮ったり、邪魔したりする。
【ADHDの診断】
まずお子さんおよびご家族の方に困っている症状、成長や発達について、学校での状況、家庭での状況などについて問診します。質問紙などでご家族、学校関係者などから評価していただくこともあります。またWISC-Ⅳなどによる知能テスト、脳波、頭部MRI、甲状腺ホルモンなどの血液検査などを行い確定診断に至ります。
【ADHDの治療】
ADHDの治療は、薬物療法+お子さんとの面接+ご両親へのアドバイス+学校との連携の4本柱が基本となります。
薬物療法はメチルフェニデート(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)の2剤が第一選択薬となります。メチルフェニデート(コンサータ)は12時間作用する長時間型の薬剤で症状のすみやかな改善が期待できます。アトモキセチン(ストラテラ)は2009年に承認されて国内での有用性は未知数ですが、海外のガイドラインではチックや不安障害、薬物乱用などの併発がある場合に推奨されています。さらに症状によりカルバマゼピンなどの気分安定薬、リスペリドンなどの向精神薬、SSRIなどの抗うつ薬が使われることもあります。
お子さんとの面接では、ADHDという病気について理解してもらうこと、治療により改善していることを自覚してもらうこと、問題が起こるときの対処法などについて話し合います。ADHDはお子さん自身の自尊心が損なわれ社会適応が悪化していることが多いため、自尊心の回復をサポートすることが最も重要となります。
ご両親へのアドバイスはペアレント・トレーニングともいいます。ADHDのお子さんの養育は並々ならぬ忍耐力とエネルギーが要求され、トラブルが起こることで怒りがお子さんやご両親自身に向かうことがよくみられます。親子関係が悪化して自己評価の低下や不安障害などの併発、場合によっては虐待にまで至ることもあります。ペアレント・トレーニングでは上手なほめ方や効果的な指示の出し方などについてアドバイスします。
学校との連携では、ご両親と学校の認識のズレがないか確認しながらお子さん自身が自尊心を回復できるように環境調整をはかります。
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